仕事のやりがい
ご入居者との心の交流ができ、温かく励ましてくれる同僚たちとともに…
介護職になったばかりの私は、自分から周りとコミュニケーションをとりにいくことが得意ではありませんでした。そんなとき、初めてC.H様の居室担当となりました。
94歳のC.H様は、ご入居して日がたっても、居室に居る姿が目立ちました。居室担当として、10時や15時のお茶の時間、コンサートやレクリエーシヨンなどお誘いをしても断られるばかりで、「C.H様は気難しくて、周りとの関わりを好まないので、しつこく話し掛けてはいけないのかな」と、少し距離をおいていました。ところが、C.H様が「話し相手がいなくて、生活が淋しい」と漏らしていたことを知り、自分の勝手な思い込みにショックを受けました。
私はそれから、仕事の手が空いたらC.H様の居室に伺い、爪切りを介助しながら傾聴したり、朝出勤したら居室に挨拶に伺ったりと、積極的にC.H様と関わりました。C.H様はそれに応えるかのように、だんだんと明るい笑顔をみせて下さるようになりました。
日々のケアのなかで、昔飼っていた犬と猫の話、旦那様との旅行の思い出、家の庭の話など、いろいろな話をされているC.H様のお顔は私にとって全て新鮮で、中でも「猫が一番好きだねぇ」と今まで見たことが無いほどの笑顔をされたときは驚きでした。同時に、この方の今の笑顔が続くよう、生活の支援をしていこうと心から思いました。
C.H様は普段から体の不調を訴え、入浴を拒否される事も多くありますが、私は、ご本人のペースでゆっくり生活して頂くよう心掛けています。自惚れかもしれませんが、私が入浴介助で訪室すると、「今日はあなたなんだね、じゃあ入るよ」と言ってくださいます。そんな時は、私はその日1日頑張れるくらい嬉しく思い、やりがいを感じます。
私は、音大で音楽の道を目指していましたが、縁があってLCG湘南で社会人となり、介護の仕事を始めることになりました。途中で体調を崩した時期もあって介護の経験はまだまだ少ないのですが、この世界に入り、LCG湘南でC.H様を初めとする沢山のご入居者と、温かく励ましてくれる同僚たちと巡り合うことができて、本当によかったと思っています。これからも1日1日をご入居者と大切に過ごし、皆様の笑顔が続くよう支えていきたいと思います。