仕事のやりがい
Vol.066
2020.08
介護福祉士
勤続年数: 6年9ヶ月
繋がる想い
私は、生前両親を看てあげることができなかったことをきっかけに、私でも介護者として人のお世話に関わることができないだろうかと思い、介護の世界に入りました。
当時、50代ということもあり、他の職員と比べ体力に不安がありましたが、なんとか9年間働くことができました。前職を離れた際、ボランティアセンターよりこちらの施設の紹介がありました。話を重ねていく間に働いてみないかと嬉しい声かけを頂き再び介護の世界に入ることとなりました。
入職して3年が経った頃、利用者さんの中でご自宅の浴室環境や体重によって家で入浴ができない方がいらっしゃいました。当初デイサービスでも浴槽への入浴は難しく、シャワー浴で対応しておりましたが、どうにか浴槽に入れてあげたいと検討を重ねプログラムを組み、浴槽での入浴を実現させることができました。ご本人がとても喜ばれているのが印象的でチャレンジしてよかったとやりがいを感じました。
その後、数カ月が経ったある日、ベッドでお休みされている利用者さんに呼ばれ、歩み寄ると『今までありがとうね』と私を抱擁しながらおっしゃられ、その瞬間今まで感じたことがないような喜びに包まれる感覚を今でも覚えています。その方は、その日が最後のご利用となり、ご病気でご逝去されてしまいました。
70代になった現在でも介護職員としてやれているのは、この仕事は人と人とを結びつける見えない想いに支えられている職だからこそ体力や年齢に関係なくやりがいを持って務めることができるのだと感じました。これからも利用者さんと感謝の気持ちで繋がっていければと思います。